『公式ホームページ』森林原人

元AV男優が明かす、知られざる出張ホストの世界とは?~前編~

 

市場規模は年間5兆円を超すとも言われる日本の風俗産業。そのほとんどは男性向け風俗だが、その一方で近年急成長を遂げているのが出張ホストに代表される女性用風俗、通称 女風(じょふう)である。

AV男優の中にも出張ホストを兼業する者や引退後に転身する方も少なからずいる。それは性的行為に対価が支払われるという共通点があるから同業他社のようだが、女風の世界が実際のところどのような感じなのかはAV男優ほど知られていない。

森林原人の旧知の間柄であり、元AV男優で現在は出張ホスト業界の人気店『エクスタシー東京』の代表を務める哀田剛さんを招き、AV男優業との違いや出張ホストのお仕事についていろいろと話をうかがってみたいと思う。

 

(前編)

  • AV男優と出張ホストで、相手する女性の属性の違いは?
  • 女性客同士でSNS上での交流やオフ会の開催も

 

 

(後編)

  • 寝取られ願望のあるカップル客の利用も多い!
  • 女性も途中で我慢できなくなる?
  • お客と恋に落ちるキャストもいる?

 

※後編記事はこちら

 

 

 

AV男優と出張ホストで、相手する女性の属性の違いは?

 

 

森林 剛さん、お久しぶりです。SNSで繋がっているのであまり久しぶりな気もしないのですが、こうやってお話するのは10年以上ぶりですよね。剛さんがKaikan(女性用風俗紹介サイトの最大手)のセラピストランキングでいつもトップ10入りしていて、凄いなと見ていました。女風の世界で活躍している剛さんに、今日はその世界のことを色々教えていただきたいと思っています。

哀田 森林くん、久しぶり。もう10年以上になるよね。懐かしいな。

 

森林 そうですね。そもそも、剛さんはいつごろから出張ホストを始められたんですか?

 

哀田 AV男優時代から並行してやっていて、もう20年を超えるくらいになるかな。男優は15年ぐらいだったから、今ではこっちのほうがキャリアも長いんです。

 

森林 両方を10年以上も経験している方って剛さんぐらいだと思うんです。どちらも女性を相手にする仕事ですが、実際のところ違いはどんなところにありますか?

 

哀田 今でこそ女性向けってジャンルのAVもありますが、大体のAVは男性ユーザーを意識して作られているじゃないですか。お客さんである男性を満足させるのが目的なので演出は過剰で、内容も過激になりがちです。そういった意味で、AVはエンターテインメントの要素があると思うんです。そこに出演するAV女優も男優同様〝セックスを魅せるプロ〟。それに対して出張ホストを利用するのは一般女性。つまり、相手をする女性の属性からして違ってくるわけです。

 

森林 その違いは大きいですよね。最近の女優さんはSNSでユーザーと直接つながるから、自分がどう見られているのか、何を求められているのかをしっかり把握していて、男優よりよっぽど魅せるプロですよ。ほとんどの男優は、仕事とはいえ気持ちよくなっちゃおうみたいなスケベ根性がありますが、女優さんは自分が気持ちよくなることを一番の目的にしている人はほんの一握りですよ。みんな売れるために一所懸命で。

 

哀田 女優さんは大変でしょうね。

 

森林 お金の為と割り切ってやるのではなく、もっと違うところに目的意識を持ってやりがいを感じてやっている人が増えている気がします。昔に比べたら健康的ですかね。女性用風俗の場合、女性が一番に求めているのは肉体的快感ですか?それとも疑似恋愛を楽しむといった精神的満足といったものでしょうか?

 

哀田 そこのバランスは女性によって変わりますが、両方とも求められていると感じることが多いです。男性は大半が一発ヌキたいからと一時の快楽を求めて衝動的に風俗を利用しますが、女性は、どのお店・男性にしようかなとこだわりを持っていますし、当日もみなさんすごくオシャレをしていますね。

 

森林 男性の場合、風俗行くからオシャレするぞみたいな気合いの入れ方じゃなくて、オナニーしないで溜めておくぞーみたいなノリですよね。あと、男性用風俗の場合、ピンサロみたいに指名をせずに誰が相手をするか分からないガチャみたいに運任せ的な楽しみ方もあるじゃないですか。女性用風俗では指名せずにフリーで利用される方ってどれぐらいいるんですか?

 

哀田 稀ですね。ほとんどがセラピストを指名してきます。「もうホテルに入ってるんですけど、今から来れますか?」ってケースもたまにありますが、そこは男と女の違いのひとつかもしれません。

 

森林 やはり女性の方が、行為を楽しむには恋愛感情がじゃなくても何かしらの好意感情が必要なんでしょうね。その点で言うと、AVの撮影では特別な女優さんや内容でない限り自分の気に入った相手とするっていうのは最優先にならないですもんね。企画内容や監督との相性で男優が決まることがほとんどだから。

 

哀田 男性以上に女性にとって相手が誰であるかは大切でしょうね。女性用風俗のお客さんは何かしらの性的な悦びを求めているでしょうが、女優さんをやれるメンタルとは別物だと思います。

 

森林 確かに。女優さんも世間一般からしたら性的悦びを重視している方でしょうが、撮影では性的欲求が必ずしも満たされるわけではないから、そこではなく承認欲求を満たそうとしているのかもしれません。もっと私を見て、認めて、求めて、みたいな存在自体の承認を求めている感じです。

 

哀田 女性用風俗のお客さんは女性として扱われることを求めている気がします。だからオシャレして、女性として輝いてる時間を楽しもうとしているんだと思います。

 

森林 剛さんが接客する女性はいくつくらいの方が多いのですか?

 

哀田 あくまで推定ですが、30~40代の既婚者で、どちらかといえば40代のほうが多い気がします。ただ、出張ホスト業界全体の客層は20~50代と幅広い。その中で私に40代のお客さんが多い理由を自分なりに分析すると、この年代の女性ってお子さんが大きい方もいますよね。そうすると若いキャストだと子供と年齢が近く、被って見えるのかもしれません。

 

森林 そこでも男女の違いはありそうですね。男性は自分の子どもと同世代でも気にせずにプレイ出来る人が多そうな気がします。僕も十分なおじさんの年になって、20歳とか若い女優さん相手だと申し訳なく感じるようになりました。こんなおじさんとするの本当は嫌だろうなって。それで女優さんに「なんかごめんね、こんなおじさんで」って直接謝ったら、「若い人より安心感があるから、お仕事する時はベテランさんの方がいいです」って言ってくれる方がいて救われました。

 

哀田 女性は安心感を大切にするので、若いキャストだと肌を見せること自体にためらいがあると言います。おばさんだとか、しわしわだとか思われるんじゃないかって不安なんですって。でもそれなりの年齢の男性だと受け入れてくれる気がしてくれるというのがあると思います。

 

 

森林 新規で新しい人ばかりを求める人と、一度気に入ったらその人ばかりに入るリピートならどっちが多いですか?

 

哀田 毎回違うキャストで楽しまれる人のことを「回遊」というのですが、そういう方もお気に入りが見つかればリピーターになってくれることも多いので、全体としてはリピートが多い気がします。

 

森林 リピーターになると何度も会うので関係性が出来上がっていきますよね。そうなると女性のお客さんにとっては安心感につながるでしょうし、恋愛感情もより増幅されそうですね?

 

哀田 そうした疑似恋愛的な楽しみ方をされる方もいます。私たちも気持ちがより入りますよね。

 

森林 もう完全に恋愛ですね。男優と女優の間に芽生える戦友のような絆とは違いますね。

 

女性客同士でSNS上での交流やオフ会の開催も

 

森林 ホストクラブのように「自分のお気に入りを店のNo.1に!」みたいなことは出張ホストの世界にもありますか?

 

哀田 そこまでの入れ込み方をする人は少ないですね。我々は「セラピスト」という肩書もありますが、ここから「ピ」を取って応援する意味を込めて「推しピ」なんて言われたりもします。

 

これに対して、キャストに本気で恋愛感情を持つ「好きピ」って言葉もあって、出張ホストのお客さんで多いのは圧倒的に推しピ。なかにはお客さん同士がツイッター上でつながったり、オフ会を開催して情報交換をする人もいれば、女子会みたいなノリでワイワイ楽しまれる方もいるようです。

 

森林 それはちょっと意外でした。単純な恋愛感情なら独占欲が働きそうですが、応援となると一歩引いた視点もありますね。恋愛としての楽しみ方もありながら、あくまで疑似的なものなんですね。ちなみにお客さんとはいきなりホテルなのか、それとも食事などを挟んでからなのか、どういった流れになるのでしょうか?

 

哀田 ウチのお店だと食事やカラオケなどを楽しむ「デートコース」、それとホテルでマッサージを行う「施術コース」の2つがあります。以前は施術のみのお客さんが中心でしたが、それだけだと物足りないのか最近は食事などのデートをしてから施術という流れで希望される方が増えていますね。

 

森林 女性たちが自身の欲求の満たし方をわかってくるようになったということですかね。ところで、最近はAV業界でも出張ホストを始める人が多いですが、男優の肩書きがあると指名されやすいものですか?

 

哀田 それはありますね。私が始めたころは男優経験者が少なく、自分の売りにしていました。女優さんと違って男優の出演作って調べるのも大変ですが、なかにはわざわざ探して作品をチェックしてから指名してくれたお客さんもありがたいことにいました(笑)。

 

森林 お客さんからしたら、どんな人柄やプレイスタイルなのかがわかるから安心でしょうね。AVとはいえ人前に出て活動しているから、身元が割れているという点でもいい気がします。

 

後編へ続く

https://moribayashigenjin.jp/archives/12234

 

 

 


哀田 剛(あいだ ごう)

もともとドラマ・映画などに出演する俳優として活躍。23歳から歌舞伎町のホストクラブに在籍し、当時たまたまアダルトビデオに出演したことがきっかけでAVの世界へ。AV男優として約15年間活動した経験を活かし、現在は人気出張ホスト店『東京エクスタシー』の代表兼セラピストとして女性たちに癒しと安らぎを届けている。

東京エクスタシー

https://ecstasy-tokyo.com/

※予約状況はこちら

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