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森林原人と女性向け風俗セラピスト奈央氏の“筑駒”対談 ~テクニック編~

1979年生まれで筑駒46期生のAV男優、森林原人と、平日は企業に勤めるサラリーマンで副業的に女性向け風俗のセラピストもしている筑駒55期生の奈央氏によるセックス対談。筑駒卒業生同士で公にこのような対談を行ったのは、おそらく日本初と言えるでしょう。

その大変貴重な対談の前編では、幼い頃から性への探究心が強く、目覚めた性癖もかなり特殊であったという奈央氏の生い立ちから青春時代までの話を聞きました。そして99%の学生が童貞のまま卒業すると言われている筑駒で、前の穴どころか後ろの穴も経験していたという衝撃の事実が判明しました。

今回は、そんな奈央氏が、なぜ安定した昼食に就きながらも女性向け風俗での仕事を副業的に継続していのか、そして女性向け風俗客の多様な性のニーズにどう答えているのかについて聞きたいと思います。

 

 

ハプバーで出会った50代男性の“女風店構想”に賛同しセラピデビュー

 

森林  そもそもなぜ女性向け風俗の仕事を始めようと思ったの?

 

奈央  実は僕、母子家庭で実家が経済的に余裕がなく、それに加えてちょっとした借金の返済などがあって本職プラスαの副収入がないとキツい状況にあるんです。僕のサラリーマンとし ての稼ぎはごく普通の30代の単身男性としては全然やっていける額なんですが、諸事情で副業が必要不可なんです。コロナ前までやってた仕事もありましたが、それらの需要がなくなり、さてどうしようと考えた時に、20代の時から行ってたハプニングバーで知り合った男性からお誘いがあったんです。

 

森林  えー、ハプニングバーで? 最近、大きな摘発がありましたね。

 

奈央  ありましたねー。出会ったのはあの店ではないのですが、ハプバー界隈で出会ってから親しくさせていただいている50代のビジネスマンが、コロナ禍になった頃、突然、脱サラして女性向け風俗店を始めたんです。それで僕が呼び出され「やってみないか」と誘われたんですよ。

 

森林  女性向け風俗店はコロナ禍以降、閉店した店もあったみたいだけど、同時に出店した女性向け風俗店も結構あると聞きました。奈央君の店が、まさにそうだったんだね。

 

奈央  はい、「アーメン東京」という名前なんですけど。その男性が打ち出したいコンセプトがかなり明確にあって、それに共感したんで俄然やる気が出ました。女性向け風俗店で最も認知度が高いのは「東京秘密基地」だと思いますが、あそこは分かりやすくイケメン推しですね。 でも、うちはそっちではなく“エロと面白さとエンターテイメント”を打ち出した店でいきたいんだと。

 

 

森林  エロと面白さとエンターテイメントの打ち出し、もう少し詳しく教えてくれませんか?

 

奈央  とにかく女性のあらゆる性欲のニーズにお応えすること。女性が性のことで悩んでいるなら少しでもその解決の糸口を一緒に探したいし、もっと性を楽しみたいって人には、こちらから面白いご提案だってしたい。その性のお悩み解決と性のステップアップにおいての打ち出しで勝負したいと。例えば最近僕が思いついて始めた「肉便器ごっこ+撮影」などは相当マニアックな内容です。 身体中にマジックで「ヤリマン」とか「ドM」とか落書きをして、言葉でも激しくなじったりした後にアナルプレイするとか。こういったマニアックなプレイの “さじ加減”は人それぞれな ので、事前に入念な打ち合わせが必要ですけど、細やかに対応したいって思いますね。

 

森林  女性向け風俗でお客さんを掴むには沼らせるというか、恋愛感情でハマらせる方が良か ったりするんではないんですか?

 

奈央  それでいうと、僕は見えてるものと、実際の市場は違うと思っています。お客様の中ではSNSもやらなければ口コミも書かないという方もいて、というか、お客様の半数近く、それ 以上が“声を挙げない方達”です。SNSなどの発信などで見えているもの、沼とか推しとか、そういったことよりも、僕は自分が対応できることを淡々とご提供していくことが大事なんだと思っています。

 

 

(※女性向け風俗は男性向けのそれと違い、お客さん同士がSNSで繋がり、オフ会をしたりする。 SNSで自分のお気に入りのセラピスト(推しピ)の魅力をアピールしたり、自分がどれだけ貢い でいるか、どれだけサービスをされているかでマウントを取り合うこともよくある。)

 

森林  なるほど。それはAVでも同じです。配信サイトで作品のレビューを書く人ってのは少数で、ほとんどの人がレビューなんて書かない。だからレビューで「ああいうシーンを取り入れてくれ」って意見を取り入れてると少数派向けのカスタムAVになっちゃいがちです。

 

奈央  はい、ヘビーユーザーに対してお出しする物を最適化するのは長期的に考えると良くない。アメリカの経営学者が書いた本で「イノベーションのジレンマ」ってありましたけど、既存の商品の特色を改良することのみに目を奪われていると、顧客の別の需要に目が届かなくなったりする。売れる技術やサービスは必ずしも既存の顧客(女風で言うところの沼とか推しとか言ってるヘビーユーザー)から見つける必要はなく、やはり自立した組織の中で小さな成功の繰り返しと少ない顧客獲得でも報いられる仕組みを持つことが大事なんだと思うんですね。

 

森林  やっぱビジネスセミナーやってただけあるね…

 

 

 

まずは“リラックス”してもらうこと、その度合いは“肌の接地面”で感じとる

 

森林  実際に奈央君のセラピストとしてこだわっている手技などについて伺いたいです。

 

奈央  僕の場合、手マンやクンニにそんなめちゃくちゃ特徴があるわけじゃないんです。体の触れ方や、体同士を寄せ合い方だとかに重きを置いているし、それが特徴であると言えます。 僕のお客様の中には、それこそ処女の方もいらっしゃいます。肌を触れ合わせるのが初めてだという。もちろん、自分のスタンスとして性の悩みやステップアップしたい、楽しみたいという女性の要望にお応えしたいという思いもあるし、実際にそんなお客様もいるわけですが、 どんな方と接触する際にも、性的な行いを受け入れる態勢を心身共に作ってもらうことにめちゃくちゃ注力しているのです。

 

森林  信頼関係の構築だよね。でもそういった信頼を築く上でコミュニケーションも当然大事だと思うんですけど、施術前にどの程度までお客さんに要望や趣味嗜好を言語化してもらうん でしょうか?

 

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奈央  施術前に必ずカウンセリングシートというものを書いていただきます。女性向け風俗のセラピストのほとんどはこのシートを用いるわけですが、店のテンプレ的なものを使っている方もいれば、僕のようにオリジナルで作ったものを使ってる方もいるかもしれません。僕の場合はこのシートは完全にオリジナルで、これを書いていただいた後にシャワーに入っていただき、その間にシートをじっくり見させていただいて僕もその後にシャワーに入る、という流れです。

 

※奈央くんが使用しているカウンセリングシート

森林  こういったカウンセリングシートに記入してもらったり、先ほど言ってた性的なものを受け入れる態勢を心身ともに作ってもらうために奈央君が大事にしていることはなんですか?

 

奈央  性的な細かい技法以前に、まずお客様にいかにリラックスしていただくか、を大事にしています。だから僕はまずいきなりハグしたりキスしたりするよりも前に、お客様と一緒に横たわり、なるべく上半身をくっつけて後ろから包み込むような感じで、ゆっくり呼吸しながら心拍を整えることから始めます。そうするうちに体の緊張が徐々に解けて体重を預けてもらう。 3分くらいの方もいれば10分、15分なのか、時間で測っているというよりかは感覚で測ってる。

 

 

森林  なるほど。その後はキスや愛撫をしていくのでしょうか?

 

奈央  僕はまず肩や腕に触れたり、頬と頬を当てたり頬に軽く唇を当てたり、その間も足と足を絡めるだったりと接地面を多く取りながら、ゆっくりと。抵抗感を感じない部分から徐々に触れていき、とはいえデコルテから胸へと、お客様の表情や声などの確認をしながら、性的な気持ちが少しずつ高まっていくような部位にも触れていく。

 

森林  その、女性の性感の高まりはどういうふうに判断するんですか?

 

奈央  まず体が温かくなってきているか、背中や腋とかの、汗をかくまでいかずとも温度が高まっているか。感じると足がぴくっとなったりする女性もいるし、呼吸が少し乱れてきているだとか、胸の辺りに手を当てた時に心拍が上がってるとか、そういう細かな変化を感じ取って 判断しています。それは目視でもそうだし、お客様に僕が触れている体の部分からも感じ取る。 だからこそ、体同士の接地面が広ければ広いほど、感じ取る情報は多いように思います。

 

 

森林  確かに、接地面の広さは性感の高まりを感じ取るのに重要だし、何より接地面が広けれ ば広いほど快感の度合いも上がるからね。

 

奈央  はい。あと“されてる感”が好きな女性の場合にも接地面の広さだけでなく、接地面が押さえつけられているような感じにするのも重要です。僕、元々、格闘技をやっていたから寝技的な動きも当然得意なんですけど、体重を女性の上に少しだけかけるように圧を入れたり、足を絡め取って少しだけ身動きができないような感じにしたり。

 

 

 

森林  なるほど。指入れやクンニで気をつけていることは?

 

奈央  僕は基本、相当慣れてる方じゃないと指は1本しか使いません。一度でも痛みとかそれに近い感覚を感じてしまうと、心も体も強張ってしまい、それをリカバリーするのが難しいからです。中指1本ですね。これは僕の勝手な思い込みかもしれないけど、手マンをする際にこうして手首を曲げた際に、中指が最も繊細に動かせる、僕にとっては信じられる指なんですよ。そして指入れな中は、指先を後ろにキュッと反らせるような感じで伸ばして入れます。第二関節は曲げませんね。そうして膣内で指を曲げるというよりも、伸ばしたまま指の腹で膣の上側を押すような感じで刺激します。濡れ具合は女性によって様々なので“普通だな”くらいの濡れ具合の時はほぼ潤滑ゼリーも用います。僕が舐めて濡らした部分、女性自らが濡れた部分のスペースを徐々に広げていき、濡れている部分しかない状態を時間をかけて作ります。

 

 

森林  でも、昂った女性の中には「入れてほしい」と挿入をせがんでくる場合もあるのではな いですか? 例えば、奈央君自身も入れたくなっちゃったりはしない?

 

奈央  まず僕の場合は背術中において「入れたい」などは思わないですね。仮に勃起したとしても、「あー立ってんなー」くらいにしか思わない。ですので、女性からそのようなことを言 われたことはないのですが、「違法になるのでそれはできない」という旨はやんわりとお伝えします。でも「後ろなら大丈夫ですよ」とお伝えします。後ろは合法なので(笑)。

 

森林  後ろは合法なんだ。お尻でオーガズムに達する女性もいらっしゃいますか?

 

奈央  いらっしゃいます。初めてイったのがお尻っていう方は全然いらっしゃいますよ。

 

 


性感は人格。雑なコミュニケーションする奴に性感上手はいない

 

森林  男性の中にも挿入や発射にこだわる人はいますが、それは女性にも少なからず「私に入 れてくれた!」とか「私でイってくれた!」っていう所にすごくこだわる方はいらっしゃると思うんですよ。

 

奈央  割合は分からないですが明確にいらっしゃいますね。「射精してないってことは満足してなかったのかな」とか思っちゃう女性ですね。男根主義というか挿入射精主義みたいなのは基本は男の文化だとは思いつつ煽りを受けて女性もそこそこ根強いのかなと感じますね。

 

森林  男性の影響がその女性の無意識の内側に植え付けられちゃって、女の人は満足の仕方かわからないんですよね。例えばパートナー同士でも、男性が「君が満足してくれれば僕は満足なんだ」と言ったとしても、女性の中でも「いや嘘でしょう」って押し問答みたいになって心の中ですれ違いが起きたりね。だから奈央君みたいに30代で射精を切り離してセックスを楽しむ領域に行けるのは特殊だなあと思いますね。

 

奈央  たぶん20代前半の頃から、いわゆるセクシャルマイノリティの方々の発信を見てきたり、 実際にそういう人達との交流があった。挿入や射精という仕切りは男女と男同士のセックスに存在するけど女性同士のそれには存在しないわけで、それでも世の中に女性同士のセックスもいっぱい存在してるわけじゃないですか。だからそういうものを多く見てきたのもあって、挿入しないもの、それもまたセックスだろうと腑に落ちてる部分はあるかもしれない。

 

 

森林  ある意味では挿入発射の呪縛からは解放され達観の域に達してるよね。男性としたことはある?

 

奈央  準男性とはないですけど、ニューハーフに入れたことはあります。入れられた経験はペニバンではあるけど準男性はないですね。

 

森林  ペニバンとはいえ異物を入れられるって経験をすると、ずいぶんと女性に入れる時の意識は変わるんだよね。力加減にしろ何にしろ、人の体に入れることへの心持ちというか。僕は自分が男性とすることを経験して初めて、挿入時に女性が言う「あっ」は、快楽の「あ っ」ではなく、驚きの「あっ」だと気づいたんです。もちろん、快楽の「あっ」の時もあるんだろうけど、自分の体に何か異物が入るという経験は驚きなのだと。相手の立場に近い経験をすることで、感覚や感情がわかるんだと思うんです。

 

奈央  そうですね。僕は性に関してはあらゆる経験を積むことがその後に活きると思っています。

 

 

森林  それにはもちろん納得なんだけど、どう活きると思いますか?

 

奈央  はい。人格形成というか。僕はずっと性感は人格だと思っているんです。一時が万事というか、セックス中の一瞬一瞬で残る違和感が全くないってことは、ないと思うんです。それでも違和感をなくす、言葉なのか目と目なのか触れ合いでコミュニケーションを取ることで、 少しずつ無くしていく。雑なコミュニケーションをする人はセックスも雑だと思う。その辺は大事にしたいと思いますね。

 

森林  そうですね。そもそも「分かり合えるわけない」を大前提に「少しでもわかり合いたい」 と努力していくことが、人間関係には大事なんじゃないかなって思います。

 

奈央  いやー、ほんとそうですよね。

 

森林  今日はありがとう。また色々と話したいです。

 

奈央  僕もです! ありがとうございます。

 

 

 

対談者:奈央

女性向け風俗「amen東京」のセラピスト。平日は会社員として働きながら休日メインでセラピ ストとして活動する。プライベートではSMやアナル開発が性癖で、アナル開発は50人以上の経 験があるとか。「怖くない・痛くない・気持ちいい」をモットーに、女性向け風俗ビギナーの方も安心して利用頂ける施術を提供しております。