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森林原人と女性向け風俗セラピスト奈央氏の“筑駒”対談 性の目覚め編

悠仁親王様の“筑附”進学報道で「あの悠仁様が筑駒に?」と多くの方が勘違いしたことで注目を浴びた“筑附”と“筑駒”。筑附ももちろん最難関校であると言えますが、筑駒こそが東大現役合格率でぶっちぎりの一位(2022年は一学年162名中65名合格で40%、二位の開成は405名中137名で33%)に君臨する超難関校なのです。

森林といえば、1979年生まれで筑駒の46期生、開学以来ただ一人、AV業界に進出し男優として今も活動する人物だ。そして今回対談相手として登場する奈央氏は1988年生まれの55期生の女性向け風俗の現役セラピストで、おそらく筑駒出身生の中では初めて女性向け風俗(以下、女風)業界入りした一人だろう。

奈央氏は平日は一流企業に勤める会社員でありながら、週末はセラピストとして活動している。聞いたところ幼い頃から性への探究心が強かった上に、目覚めた性癖もかなり特殊な方向に目覚めたという。ここに、筑駒出身のAV男優と女風セラピストの異色の対談が実現しました。今回は奈央氏が女風業界に従事する前の“性の目覚め”を中心に伺いました。

 

 


 

偏差値75を超える者の性の目覚め

 

森林 今日は楽しみにしていました。僕らの出会いの馴れ初めですが、奈央君が僕の著書をTwitterで紹介してくれていて、それをたまたま僕が見つけたんです。そこに母校の先輩と書いてあって「筑駒出身の出張ホストがいるのか!?」と驚いたんです。
ツイートを遡って見ると知的で性愛への姿勢がガチッぽいと思ってすぐにフォローしました。それから別名義で書いているnoteなども読んだらかなり理論がしっかりしていて、ただの出張ホストじゃないぞと驚いたんです。この人とぜひ話してみたいと思ってDMしたら快諾してくれて今日この場を設けさせてもらいました。

 

 

 

奈央 そうでしたね(笑)。僕も森林さんからDMが来た時は嬉しかったです。学生時代に「実は先輩でAV男優の人がいるらしい」っていうのは噂になってましたから。卒業後、はじめて森林さんの著書を読んで、男優さんでいろんな発信をしたり本を出している方は多いけど、森林さんの著書は群を抜いて言葉を丁寧に扱い、伝えたいことを明確に言語化しているんだなあって思ったんです。

 

森林 ありがとう。それは僕も奈央君の文章に同じことを感じましたよ。だからこそ、その考えを詳しく聞きたいという思いがありました。それになにより、僕もそうだけど世間的には学歴社会の頂点の筑駒から性の世界に行くのって面白がられるんですよ。
自分がそういった存在なのは知ってるんだけど、他人でそういう人を見ると、やっぱり「なぜなんだんろう」って気になるんですよね。なんで女性向け風俗のセラピストをやっているんですか?

 

奈央 もちろん性に並々ならぬ興味があるからなんですけど。その話をするにはまず僕の性の目覚めからお話をした方がいいと思うんです。良いでしょうか?

 

森林 もちろん!

 

奈央 もともと自分の体のいろんな部位に興味があったんですね。小学5年生の頃には「どうもお尻の穴に指を入れると気持ちがいいぞ」ということに気づくんです。

 

森林 小学5年でアナルに? いきなりすぎるよ(笑)。きっかけはなんだったの。

 

奈央 いやあ、もともと、コンセントの差し込み口とか見ると何か入れたくなってしまう子供でした。それで何かを入れてしまって火傷などの失敗もするんですけど、いろんなことに好奇心旺盛でとにかく思いついたものは試しちゃうんです。
それで、うんこが出てくるこの穴の中はどうなっているのかな、みたいな興味から始まって、触ったり、指を入れたりしていたんだと思います。

 

森林 あーなるほど(笑)。いやいやなるほどじゃない!(笑)それでアナルに指を入れてオナニーしてたの?

 

奈央 いえ、まだ穴に触れたり指を入れるだけで発射には至らず。初めて射精したのは「なんか、ちんちんを画鋲で突くと気持ちいい」ことに気づいてからです。

 

森林 えっ! ちんちんに画鋲!? 危ないよ。汁男優でラー油塗るって人はいたけど。画鋲ってどの辺りを刺すの?

 

奈央 刺すってほどじゃなく、亀頭とかカリ首あたりの薄皮一枚をツンツンと突くくらい。それが強烈に気持ち良かった。それをこっそり続けてたら、なにかが出たっていうのが初めての射精でした。

 

森林 凄いね! でもタイミング的には中学受験に向けて勉強しまくりの時期でしょ?

 

奈央 小5と言ったら受験の真っ只中ですよねえ。とち狂ってたなあ(笑)。まあでもそういう興味を体感しながら、勉強もなんとか両立させたんでしょうね。

 

森林 ちなみに画鋲オナニーのおかずはなんだったの?

 

奈央 おかずは、当時は僕は団地住まいだったのですが、ポストに裏物AVのチラシみたいなのがいっぱい入ってたんです。そういうのを集めては見たり、あとは神保町の古本屋にもよく出向きました。

 

森林 エロ本を求めて神保町にまで行ったんだね。やはり、探究心がすごいよね。

 

奈央 たぶん、神保町エロ本探索が性癖を大きく偏らせました(笑)。数あるエロ本の中でも一番興奮したのが「カルテ倶楽部」という医療プレイの専門誌だったんです。

 

森林 その雑誌との出会いで、元々、快楽を感じていたアナルへの興味やちょっと嗜虐的な性に興味を持っていることに気づいたんだね。

 

奈央 ですです。

 

 

高2で自分改革を起こし初の彼女と刺激的な性体験の日々

 

森林 第一次性の目覚めが小中で画鋲オナニー。後に「カルテ倶楽部」で特殊な性癖に目覚めて。それで女性との初めての恋愛体験とかは?

 

奈央 まず恋愛とかって前に、女性と話したいけど、どう話していいかわからない。「僕はこのままだったら一生モテないままなんじゃないか」と悩んだんです。それで高2の時に、姿勢から服装、話し方まですべてで大改革を起こしたんですよ。

 

森林 セルフプロデュースで?それは誰かに指摘されたとか?

 

奈央 いえ、モテの先人を観察して自分に取り入れるやり方がいいのではないか? と、自ずと考えて実践しました。まずユニクロのチェックのシャツを脱ぐことから始めて。
最初はテレビに出てるカッコいいとされる人の話し方やトーンや姿勢を真似するようになった。そうこうするうちに、バンドをやってた効果もあったのか、初めての彼女ができたんです。女子御三家と言われる進学校に通う子でした。

 

森林 やっぱバンドやってる奴は違うな! モテたでしょ?

 

奈央 バンド演奏後は生まれて初めて複数の女子から連絡先を聞かれて舞い上がりましたよ。その時に声をかけてきた初彼女と初セックス。緊張しすぎで勃たなくて2回失敗したし。

 

森林 僕も初体験の相手は女子御三家の子だったな(笑)。その子とは文化祭で知り合って、デートしてエッチする関係になったけど、初体験は上手にいかなかった。
また別の御三家の子ともダブルデートしてクリスマスに告白しようと思ったら、友達に2人ともかっさらわれ、その友達はクリスマスに午前に1人、午後に1人とデートしてたんだよね…。それを3学期になって知らされる地獄だったよ。

 

奈央 それは地獄…。僕のその初の彼女はめちゃくちゃ本も読んで勉強好きなだけでなく好奇心とエロへの探究心も強かったんですよね。しかもBL好きの腐女子ということもあって、その子とはアナルセックスもしました。彼女とのセックスでSMに目覚めるようになりました。

 

森林 学生の99%が童貞のまま卒業すると言われている筑駒で、まさかのアナルセックスまで経験するとは。
ちなみに僕は昼休みに「311(保健体育科の教室)」で『マゾの宅急便(バクシーシ山下監督作品)』の上映会をしたけど、飯が食えなくなると怒る奴、目をランランとさせる奴、我関せず飯を食い続けた奴の3パターンでした(笑)。そんな僕でさえアナル経験は男優になってから。
アナルセックスの経験談は誰にもしなかったの? 特考(筑駒独自の学力テスト「特別考査」の略、この成績で東大現役合格の可能性が計れる)で一桁取るより凄いことだから自慢できるよ。

 

奈央 確かに同級生の中では一番進んでたかも…。でも自慢とかは苦手で、一切せずにひっそりと、自分だけの秘め事として。

 

森林 そうなんだ! 絶対マウント取れたのに(笑)。ところで部活は何だった? 僕は水泳部。個人競技だから学年による上下関係より個人での成績が意味を持つ。その影響か、サッカーや野球、バスケなどの団体競技にあるチーム一丸となった一体感の経験がないんだよね。仕事の男優業も個人事業だし、3人以上によるチーム活動に苦手意識があるんだよね…。

 

奈央 僕はチーム活動というより社会に出ておじさん上司との縦社会な絡みをうまく切り抜けるのに苦労しました。慣れるまで10年かかりましたよ。後の話にも繋がるんですけど僕は女系家族で育ったから。
部活ですが、僕はブラスバンド部で打楽器担当でした。ピアノやバイオリン経験者が大半の中で音楽未経験だったので、楽譜を読むのも一苦労でした。部の合宿で楽典(音楽の決まり事)のテストがあり、最下位だと皆とバスでなく楽器を運ぶトラックの助手席行きになるんですが…2回なりました(笑)。そういえば、隣の駒東(駒場東邦高校)を挟むフェンスに誰が開けたか穴があったんですけど、森林さんの時はありました?

 

森林 あった、あった! そこを通る横が体育科の施設で、通り抜ける瞬間をマラソンの得意な合田先生に見つかり、10人ぐらい全員が並ばされて順番に殴られた。昔ながらの体罰教育は筑駒にもあったなあ。

 

奈央 僕の時代にも合田先生はいらっしゃいましたが、体罰はなくなっていましたね。僕はその穴は高校の文化祭で友人とバンドを組んで参加した時によく使ってて。学校が貧乏で機材がないので、駒東から毎年機材を借りてたんですよ。その時に穴を通ると近道だったんですよねー。
あと、文化祭では喫茶班でパスタ担当でした。メニュー決めてオペレーションを作って実際に調理して……。当日は10kgくらい麺を茹でたと思うんですけど、3日間忙しすぎて記憶があまりないです。

 

 

森林 僕はステージ班の班長で人生で一番楽しい数ヶ月を過ごしました。毎日遅くまで学校に残って友達と色々と考えて、あーでもないこーでもないと話しているのが本当に楽しかった。
もしタイムマシンがあって戻れるならあの瞬間。ステージ班の仲間とは今でも交流があって、特に仲の良かった10人ぐらいとは何かあればすぐに集まるよ。ちなみに特考はどうだった? 僕は常時ビリから3人目を行ったり来たりでした(笑)。

 

奈央 僕は真ん中で80番とかっす。東大現役で行けるかって言ったら五分五分。受けたとしてBC判定くらい。とにかく受験勉強が嫌で短期決戦で終わらせたかったから一橋に行きました。もちろん、母親からは「東大に行け」と泣かれましたよ。でも僕はガンとして譲らず3日間ぐらい大喧嘩して僕の意見を押し通した感じです。

 

森林 そうかー。僕もいまだに感慨深いことあるよ。実は僕以外のビリ3人の中の1人は後に死ぬほど勉強して京都大学に行き、今では弁護士でバリバリ働いてるよ。小室さんが落ちたニューヨークの弁護士試験にも合格してるし。僕もあの時、死ぬほど勉強したら人生変わったのかなあとたまに思うけど、やっぱり男優の人生以上は僕にはないなぁって思ったり。
それでここからは、奈央君の女性観的なことも聞きたいんだけどね…。

 

奈央 たぶん僕が女性との関係作りのスタンスを形成したのは就活中から就職後なんだと思います。実はそこで第二次性の乱れ的な時代が到来するっていう(笑)。就職はとても上手くいって、外資系企業のコンサルティングファームに内定・入社したんです。
その経験を活かして大学の勉強絡みの真面目なブログを書いたんですが、それが大当たりしてフォロワーが急に200人から4000人になったんです。始めたのは女性との出会いやセックス目的じゃなかったんですが、結果としてそのブログを通してメッセージをくれて出会った女の子達と、どんどんそういう関係になったりして…。

 

 

モテの極意は無理強いしない、偉ぶらない

 

森林 知性に魅かれる女性、結構いますよね。奈央君の知性はブログでも発揮されたわけですね。でも就活の真面目なブログだったんでしょう。そこからどうやってセックスに持ち込むの? 女の人と普通に話しはできるけど、そこからセックスの領域に流れ込むまでに、どんなやり取りがあるのか、そこがみんな知りたいところなんですよ。

 

奈央 僕は「この人いいなあ」って人がいたとしたら、お互いが一緒に楽しめることの中にセックスがあるといいなって思っていて。だから、ある程度、セックス以外の話で盛り上がって、言っても引かれたり怖がられなそうだなと思ったら、その流れで「君とセックスしたい」ってことをストレートに言っちゃうんですよ。
でも大前提として、できないならそれでも全然いいってスタンスなんです。無理強いはしない。逆に言うと、セックスできないんだったら会わなくていいやと思う人にはそもそも会わないんです。

 

森林 なるほどね。余裕ある感じだ。セックスが第一目的じゃないから、女性が穴でなく人格ある人間として存在している。「やらせてよ」みたいに強引だったり、女性が失礼に感じる物言いではないから、断っても怒ったり不機嫌にならなそうだもんね。

 

奈央 それに、不思議と僕に興味を持ってきてくれる子って、元々が性への探究心が強くて、楽しみたいってタイプの子が多かったようにも思います。

 

森林 それはもう奈央君が引き寄せてるよ。ある意味、奈央君の特殊技能としか言いようがないな(笑)。

 

奈央 僕、かなり本は読んでる方ですけど、そんな中でも人生で影響を受けた5冊のうちの一冊が加藤鷹さんと中谷彰宏さんの対談本『キスに始まり、キスに終わる』(現在は『ハートフルセックス』に改訂)なんですよ。
「相手のチャンネルに合わせよう」とか「エッチの後『ありがとう』と言われるようにしよう」とか「エッチ以外の女性の接し方を学ぼう」とか、女性に対し偉ぶらない、心得から所作に関する非常に目から鱗の考え方が満載で、本当に僕はもう、この本を5、6人の方に布教したくらいですから。

 

 

 

森林 鷹さんは良いこと言うよね。世の中にはいろんな情報商材がある中で、ナンパ術とか恋愛工学とか、女性を物として考える質の悪いものに触れる前に、本当に心から良いと思えるものに出会えたことが大きく影響したんだろうね。

 

奈央 そうですね。あと僕は父親が早くに亡くなり母子家庭で、親戚界隈も女性が多かった。女家系的なコミュニティで長らく生きてきたというのも影響はあると思います。女の人はこういう物言いを嫌がるとか、こんなことで怒るとか、そういうのを幼少期から見ていたのは大きいのかも。女性を嫌な気持ちにさせない、というのは、気持ちよくさせる以上に大前提として大事じゃないですか。

 

森林 素晴らしいよ。もろ男性社会の筑駒で思春期を過ごすとそういう大事なことを学ぶ機会がないもんね。話し方から接し方、何から何まで女性視点で考えられるかどうかは基本だけどすっ飛ばされがちですよね。どうしても自分中心で、自分スタートになるから。

 

奈央 はい。会社員になってからは、ハプニングバーなどにも通うようになりまして。そこで顔もお金の強みもないのにモテてる男性というのも少なからずいて、そういう人の動向を見るのもめちゃくちゃ勉強になりました。僕、めちゃくちゃ性への向き合い方はガッついてると思うけど、高圧的な態度はしないし、嫌な物言いもしないというだけなんですね。

 

森林 そうかー、性への向き合い方と女性への向き合い方を切り分けて考えられるのが知性だと思うな。さて、それでいよいよ、奈央君がなぜ女性向け風俗のセラピストになったのか、という話になるわけですけど…このお話は後編で詳しく伺いたいと思います。

 

奈央 よろしくお願いします。

 

 

対談者:奈央
女性向け風俗「amen東京」のセラピスト。平日は会社員として働きながら休日メインでセラピストとして活動する。プライベートではSMやアナル開発が性癖で、アナル開発は50人以上の経験があるとか。「怖くない・痛くない・気持ちいい」をモットーに、女性向け風俗ビギナーの方も安心して利用頂ける施術を提供しております。