『公式ホームページ』森林原人

代々木忠監督のラストメッセージ

2022年1月29日に開催されたイベント

『代々木監督からのラストメッセージ』

~性の深淵をのぞいたら人生が変わった~

で代々木監督が最後に話されたメッセージを以下掲載します。

 

※実際のイベントの映像は、下記URLより購入できます

全編テロップ入りのオリジナル版になります。

https://fantia.jp/fanclubs/353465/products

 

 

【代々木忠監督ラストメッセージ】

今回タイトルなんだっけかな。

どじるといけないと思って、

メモしたんだよね。

 

「代々木忠からラストメッセージ

〜性の深淵を覗いたら、人生が変わった〜」

これ、深いテーマですよね。

 

ちょっと真面目に語ると

 

子孫を残すセックス

生殖のみのセックスから

人間が解放されたことによって

アダルトビデオが成り立ってますし

 

性の意義

また性の可能性みたいなものを

哲学するようにもなりました。

僕はやっぱり、性の深淵というと

”オーガズム”の世界かな、と思うんですよね。

 

僕はオーガズムというと

3つに分けて説明してきました。

 

主に、愛と性の相談室に来られる女性達に

そういう説明をしたんですね。

 

「どうしたらオーガズムを体験できるのでしょうか」

って(相談者の女性たちは)言う。

 

で(僕が)言ったことは

やっぱりオーガズムを体験したいと思ったら

体験できないよって。

 

あなたの中にオーガズムを体験したいっていう

主体がある限り

オーガズムはずっと客体のままだからねって。

 

そういうことを言ってきました。

そういう性の深淵の入り口に立ったのが

40年前ですかね。1981年くらい。

 

その頃はセックスレスという

言葉もなかったですね。

 

それが、1980年代後半になると

処女と童貞が顔射するんだって。

 

作り話のようなエピソードが

(撮影)現場でも話題になりました。

それから、90年代に入って

主婦たちがビデオに出るっていうのが

目立ってきたんですね。

 

お前ら何考えてるんだよって

片一方であるんだけど

片一方では

 

それで飯食わしてもらってるなぁ

っていうのがあって。

彼女たちとは、話し込んできました。

 

それで、セックスレスだから

ビデオに出るわけですよね。

 

いろいろ話聞いてると

旦那とセックスしてるんだけども

 

元カレとセックスすることを想像してたり

知らない男に犯されていることを

想像してたりするんですね。

 

それでビデオに(出演しに)来てる。

 

その頃から

 

顔射とか潮吹きとか

駅弁とか

 

フィストファックだとか

アナルファックだとか

 

そういう言葉が巷でも

普通に語られる時代に入っていきました。

 

これはやっぱり

ビデオの悪影響を意識せざるを得ない状況ですね。

 

だから現場では

男優陣も目を見て

 

心がつながるセックス(まぐわい)に

重きを置いてやるようになっていきました。

 

それで、目を見て

心がつながるセックスをすると

 

本当に心がイク。

 

オーガズムを体験すると

女の子が泣いちゃうんですよね。

それで、銀ちゃん(佐川銀次)が

ドヤ顔するのもよく見ました。うん。

 

それで、特筆すべきと言ったらいいのかな

女の子の顔が変わるんですよね。

 

本当に心がイクオーガズムを体験すると

 

表情筋にこんな影響を与えるんだ

なっていうのは、本当思ったよね。

 

隊長(市原克也)がこれを

”チンポ”整形と名付けたよね。

名言だと思う。

 

次に、オーガズムって言っても

 

感情っていうのが

心っていうのが介在しないオーガズムには、

 

僕はできるだけ

オーガズムっていう言葉を使わないように

してきたと思う。

 

それは肉体的にイク

エッチでイったっていう言葉が一番合うのかな。

 

それが悪いって言っているわけじゃなくて

そういうイキ方をして気持ちよければ

 

免疫力がやっぱり強くなるとか

強化されるとか

 

不眠症が改善されるとか

若さが保たれるとか

そういう報告もいっぱいある訳ですよね。

 

まぁ、僕らは、さっき話したように

本当に「目合い(まぐあい)」を

見せていくべきだなと思う。

 

次に、二元性を超越するオーガズム

という話に入って行きたいんですが

 

これを説明するには

我々が普段使っている言葉では

説明できない。

そこで、

”梵我一如”(ぼんがいちにょ)

※インド哲学の中心的考え方

 

”主客未分”(しゅきゃくみぶん)

※主観と客観が成立していないような曖昧な世界。

 

”梵我一如”というのは

古代インドのヴェーダの聖典から

借りて来た言葉なんです。

 

宇宙を支配する原理”ブラフマン”と

個人を支配する原理”アートマン”は

同一のものであると悟るというふうに捉える。

 

”主客未分”(しゅきゃくみぶん)というのは

読んで字のごとく

主体と客体が分かれる前の状態である。

 

二元性を超えるオーガズムっていうは

そのようなことを悟るというふうに

理解してもらえればなと。

そうだね。

(2次元を超えるオーガズムを

体験した女優たちが言ったのは)

 

「男の体が私の体」

 

「その時私が私であり

(セックスした相手の男優の)日比野さん」

 

「男って私」

 

こういうオーガズムを体験した

子たちっていうのは大体

こういうことを言うんですね。

 

これって

「東って西だよ」「西って東だよ」

って言っているんですね。

訳わかんないですよね。

 

でも、主客未分の視点から

彼女たちが言葉を発しているとすれば

腑に落ちるかなって。

 

それで有名なのは

 

男女の性交がもたらす恍惚は

清浄なる菩薩の境地である。

 

快楽を求める激しい欲望は

清浄なる菩薩の境地である。

これ、理趣経(りしゅきょう)の

十七清浄句の一節なんですけども

 

最澄と空海が日本にもたらした言葉です。

 

ご存知のように

最澄と空海は、唐の時代に

遣唐使として中国に渡っております。

 

最澄は天台教学を主として学びその後

禅林寺というお寺で禅を修行しております。

帰国直前になって、密教を学んでおります。

 

一方、空海は当時最先端と言われた

密教一本に絞って修行しております。

 

そして、世の一切を遍く照らす

最上の者という意味の

 

遍照金剛(へんしょうこんごう)という

灌頂名(かんちょうめい)を受けて

密教の第一人者として、日本に帰ってきます。

 

当時の天皇、桓武天皇に

仏教の教えを説いた最澄

超エリートですよね。

 

「快楽を求める、その気持ちはもう

清らかな菩薩の境地である」

 

という(理趣経の教えを)最澄は

受け入れられなかったのか

理解できなかったのか

 

理趣経を注釈した理趣釈経の借覧をしてみたい

ということを空海に申し送った手紙があるんですね。

 

それに対して空海が最澄に送った返書の全文が

サイトに、現代の言葉に訳されたものがあるので

 

もし興味ある方は覗いてみても面白いとも思います。

 

サイト名を言います。

”最澄宛空海の返書ー理趣の答案”

 

これ、空海の直筆が添付されてないんで

クエスチョンマークも残るんですけど

 

”最澄宛空海の返書ー理趣の答案”

北尾克三郎のページを開いてみてください。

 

「お手紙を受け取り安堵しております」という

挨拶の言葉からはじまっていますが

 

これが想像以上の長文なので

要点を拾い出してみます。

 

「理趣経の本体は、お互いの身体活動の中にあり

それが言葉となって理趣経となり

その経典を注釈したものは理趣釈経であるから

理趣もその注釈もその体験こそが根本である。」

で、最後に、

「真理を伝えるために使われた文章は

その目的を果たしてしまえば

粕や瓦礫に過ぎない」

 

「本物を捨てて偽物を拾うことは

愚かな人間の為すことです」

 

と、こういう返書をですね。厳しいですね。

 

この最澄に宛てた空海の手紙が

決定打となって二人は

絶縁状態に陥ったんですね。

 

こういう言い伝えでございます。

 

AVのセックスで

性の深淵を覗いた女の子たちは

この理趣経の二元性を

超越した視点から読み解ける。

最澄への返書も当然だという。

 

こういう二元性を超えたオーガズムを

体験させてきたのは、AV男優という男たち。

 

この今の時代

そのようなことをなせる男たちは

世界に類を見ません。

僕の知人で

画家が言った言葉を思い出すんですけど

 

「男優さんたちって修行僧だよな」

僕もそう思いました。

 

僕にとっては

彼らは修行僧であり

戦友であり

 

先ほども申し上げたように

代々木忠とい名を育ててきた

男たちであります。

その彼らに対し

この場を借りて

 

賞賛と、敬意と

心からの感謝の誠を捧げて。

(合掌)

手合わせちゃいけないね(笑)。

最近ね

インドのエンタメ文化にハマってて

 

彼らね、どんな年下であろうと

どんな爺さんであろうと

 

優れたものに対しては手合わせるんですよ。

 

それがカッコいいんだよ。それ最近ハマってて。

 

そういうことで、最後になりましたが、

 

自分の興味を本当優先させて

作品作りをしてきました。

 

その代々木忠、そして

代々木軍団を最後まで支えてくださった皆様に

 

心から感謝を申し上げて

最後のメッセージに代えさせていただきます。

 

本当に幸せな監督人生でした。

ありがとうございました。

 

代々木 忠

 

全編テロップ入りのオリジナル版を

購入希望の方はこちらから

https://fantia.jp/fanclubs/353465/products