セックスで傷つき、セックスで全肯定感を得る AV男優・森林原人さん×「夫のHがイヤだった。」著者Mioさん対談【後編】
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愛とは何か? セックスがなければパートナーとして維持していけないのか? 男女の考え方や感じ方の違いとは? 男女の間に潜む、さまざまな疑問や課題について、大学在学中にAV男優デビューし、出演本数1万本以上、経験人数1万人以上という経歴から性と向き合う活動も行っている森林原人さんと話題の本「夫のHがイヤだった。」著者のMioさんにおおいに語り合ってもらった。後編は、「実は女も、自分の性のことが分かっていない」「愛とセックスを一緒に考えることの危うさ」「男と女はどう乗り越えていくべきか」について。
前編では、男性のセックス観を変えることの難しさを中心に語ってきたが、男性は男性で、「自分がリードしなくてはならない」というプレッシャーが常に付きまとっているという現実がある。女性の側も、「もっとやさしくしてほしい」「分かってほしい」という悩みを抱えているものの、実は当の本人が自分の性について分かっていない場合が多い、と森林さんは指摘する。
Mio この本では、私の苦痛を分かってくれなかった夫に対していろんなことを書いてきましたが、私自身も夫に期待しつつも、どういう雰囲気の時に自分が燃えるのか、どこをどうしてくれたら気持ちいいのか、ということをきちんと分かっていなかったことに、後になって気づきました。
森林 世の中の風潮にリードするのが男で、女はおとなしく控えめにしなきゃいけないというものがあります。そして、誰もセックスを教えてくれないので、AVを教科書にせざるを得ないという現状があります。Mioさんは自分がどんな時に興奮し、どうすれば気持ちいいかが分かっていなかったとおっしゃっていましたが、AVを見ている男性なら、自分の性的な好みや傾向を知る機会があります。例えば、清純な女性を乱れさせるのが好きなのか、女子校生に責められるのが好きなのかとか。でも、女性にはそういう機会がほとんどありません。
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